事業システム戦略―事業の仕組みと競争優位 |加護野 忠男 /井上 達彦
事業システム戦略―事業の仕組みと競争優位
加護野 忠男 /井上 達彦
有斐閣 刊
発売日 2004-03
価格:¥1,995(税込)
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経済力学と現場活動とをつなぐ事業システム設計を示すフロンティア 2005-07-15
本書は、事業をひとつのシステムとして捉え、システム背後にある力学やコンテクストを踏まえながら、システム全体が全体最適に「設計」する過程を追ったもの。戦略論とビジネス・オペレーション論との海溝に落ち込んだ部分をブリッジする領域と言えそうであり、ひとつのフロンティアを提示する書として価値が高い。
第1に、「ビジネスモデル」と「ビジネスシステム」との相違を明らかにする。呼んで名の如く、モデルは規範であり汎用的なもの。一方、システムは、基本力学を梃子として活用しつつ、当該事業の背景・コンテクストに依存しつつ設計される当該事業独自なもの。ここを明確に定義しているため、言葉の混用を防いでくれる。一時、「ビジネスモデル」という言葉が喧伝された。特に、「○○社独自のビジネスモデル」という引用には幾度となく違和感を覚えた記憶があるが、そういうことなのだ。
第2に、Value Propositionから経済力学、行動体系や理念体系に至るまでを一気通貫し、事業システム設計の統合されたブループリントを提供する。即ち、経済力学・エコノミクスを踏まえないものは戦略ではないし、エコノミクスを活用するためにどの領域に自社がフォーカスするか、そのための工学的活動設計はどうか、また、事業を運営する者が人である以上その社会的コンテクストとの調和を如何に果たすか、また、そのための情報流通経路をどう設計するか、などである。
第3に、上記の諸変数の選択・設計とその統合が如何に重要であるかを知らしめる。分断して議論され易い上記の緒論を一気通貫で概説していくので、どれかが抜け落ちてしまうということが少ない設計フローのブループリントを提供する。
「○○理論」を知っている、というような知的満足感を与えるものではないが、実効性を感じる一冊だと思われる。
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この記事は2006/6/7に作成しました。